準備を整えて、扉の戸を叩け

成務天皇様からのお言葉

長くこの世のものと言葉を交わすことはなかったので、少々戸惑いもあるが、さりとて、わが思い受け取る者あらば、語らぬでもない。
 
この日本という国を長く見守ってきた、さまざまな時ありて、その時、その時で危機を感じることが山ほどあった。
だがその度に、何とかこれを乗り越え、時の流れと共に、歴史は編みこまれていく。
我らが如何ともしがたいことを時というのは全て容赦なく飲み込んていくものである。
 
それが喜びであるか、悲しみであるか、その時には答えがわからぬものである。
どちらになっても、またそれなりの歴史が生まれ、時の流れに飲み込まれていくのである。
人間がどのように抗おうとも、成らぬ時は成らぬものであり、また、成るべきことはどのようにしてでも、なしうるのである。
 
ただこれを見る時には大きな時の流れというものを、受け入れながら眺めていく必要がある。
決して途切れることのない、この時の流れは何の区切りもなく、ただ滔々と繋がり続けていくのである。
 
悲しき色に映る時、人々はそれを不幸と呼ぶ、喜びの色に包まれし時、人々はそれを幸福と呼ぶ。
いずれの時にもそれらは咬合に現れてくるのである。
 
今の日本が置かれた状況は、寂しげな色に染まっている。
その薄青き色、少々冷たさをも感じさせるくらいのこの色に染まっている、日の本の国である。
だがそのずっと先を見れば、桜の花のような温かく美しい色に染まっている日の本の国が見える。
それはいかほど先の話であるか、明言するのは難しいが、だが、しかし、必ずその時はやってくる。
 
今のこの寒き色に染まった時を、突然桜の色に染めることは難しかろう。
しかし、この時をしっかりと過ごしたならば、次には安定をした幸福の色に染まった時代が訪れることになっている。
それを誰が実現するのかという話であるが、ただ一人の者によりてなされることではない。
多くの人々がそれぞれの役割を果たし、その使命を果たすことによって、ほんの少しずつではあるが、この国が動き変化を起こしてくることになるであろう。
 
それがため、君は何をなす人ぞ。
何をなすべきか、それについてじっくりと考える時をまず持ってみられよ。
なせることは必ずあるはずである。
その志尊くこれを持つ者は必ずそれに見合っただけの仕事がやってくるのである。
 
天上界はその志持つ者を見落としておざなりにすることなどありえない。
間違いなくなすべき仕事は目の前にやってくるであろう。
まずは心を整え、いかような仕事が舞い込んでもそれを十二分にこなせるだけの準備をすることである。
 
己が仕事を見つけた者は幸いである。
どのようにして主のお役に立つことができるか、それを知っている者は幸いである。
自分に何ができるか、それを問うなら、未だ準備の整わぬことを早急に準備するべし。
 
全てのことは、求むれば与えられる。
扉を開かんとすれば、必ず開くのである。
まずは、準備を整えて、扉の戸を叩いてみることだ。
それらの行動があれば、たちまちになすべきことが目の前に現れてくるであろう。
くれぐれも準備万端に整えて臨むべし。

(初出:2013年12月6日)

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