源義経様からのお言葉
冒険をするということ、これを恐れてはならぬ。
失うものは何もない。
守ろうとすることで、逆にまた失うこともある。
だがそれは、失ったかに見えるかもしれんが、実はそうではない。
すでに与えられしもの、すでに自分が持っているもの、それは形あって形なきもの、消えいくことはない。
決してないのである。
私はいつも、大きな山にさしかかった時、何を思うか。
この山をいかにして飛び越えていくかということを考える。
山の中に入れて、数多くの木々を見たならば、もはやその道に迷い、この山を乗り越えていくことはできまい。
だがその山を、はるか遠くに眺むれば、その山はいかにもひとっ飛びに飛び越えられるのではないかと思えるほどの小ささに見えるのである。
そのようにして、俯瞰(ふかん)して見ることによって、私はいくつもの大きな山を乗り越えてきた。
これは、そのような見方ができるか否かで、結果が大きく変わってくるということを、自らがそれをなしえているのである。
いかような事柄であろうとも、いかような思いであろうとも、これを統御し、山を乗り越え、はるか先に見えたるところの、朝日の昇る理想郷を目指して、駆け抜けていくことは、可能である。
常にそのことを強く心に想い描いている。
山を分け入り、一本一本の木々を見るは、小乗なれど、大乗はこれ大きく山を乗り越え、はるか先に、わが身を運ぶ道である。
いずれもまた必要なことであり、これを使い分けることである。
さもなくば、道に迷うことこれ必定。
小事は小さく見つめ、大事は俯瞰して見よ。
それに、多元的なる知恵をもって未来へといかん。
(初出:2014年9月21日)

