アワズの姫皇女(ひめみこ)様のお言葉
幼少の折りより玉のような
姫皇女として大事に育てられ
多くの方々より愛され
護られてまいりました
心より感謝申し上げます
なにゆえにわたくしがこのように
手厚く大切にしていただけたかということを
時折考えるのでございます
いつもわたくしの傍には
わたくしを護ってくださる方々が
ついておられて何不自由なく
過ごさせていただきました
若かりし頃はそのようなことさえ
気が付かず当たり前のこととして
育ってまいりました
しかしそんなわたくしも
やがて年をとり
そろそろお暇(いとま)を頂戴する時が
やってまいりました時に
この人生の意味とは何であったかと
深く考えるようになりました
残りの人生がいくばくもないと
わかった時に
その時になって初めて
目が覚めたのでございます
今までの贅沢三昧の生活
溢れんばかりの愛情を受けておりながら
誰にも何のお返しもせずに
ただその命、夜露のごとくに
消え去ろうとしている時に
何と愚かであったことよと
心の底から後悔をし
反省をいたしましたが
もういくばくとも残っていない
その命を捧げてわたくしに
何ができるかと
その時のわたくしの心中は
張り裂けんばかりの苦しみでございました
もっと早くにこのことに気づくべきであったと
今となっては遅すぎた
あれほどまでに与えていただいていた
与えられた人生を御仏に対しても
否、周りの身近な人たちに対してさえも
何にもお返しもせずに
消えていこうとしている
わたくしの愚かさを
どうかお許しいただきたい
そのように何度も何度も
心の中より叫びました
この世の命が終わってより後に
わたくしは相当な期間
この反省のために費やすこととなりました
本当にどのように位が高く
経済的にも恵まれ
豊かで贅沢三昧の生活をしたとしても
ただそれだけであったなら
わたくしの人生は
何の実りもなく
終わってしまったのでございます
この教訓をわたくしは
きっと活かして後の転生では
多くの人々のお役に立てるように
そういう人生を歩みたいと
心から願っているのでございます
この魂の叫びは止むことがございません
どうか今一度わたくしに
その機会をお与えくださいと
御仏にお願いをいたしました
貧しくともよい
そんなことより
お返しのできる人生を
歩みたいと願っております
次の転生では必ず
わたくしはこのことを忘れずに
生きることができたなら
心から幸せであると言えると思います
お聞き届けくださって
誠にありがとうございました
(初出:2012年11月24日)

