豊臣秀吉様のお言葉
天下を統一するというにはな、
やはり人の心を掴むことができなければ、
いくら声高に叫んだところで、統一などできるものではない。
確かに戦に勝てば、領土は拡がる。
しかし、そのことと本当の意味での天下統一というのはまた別ものじゃ
わしはな、
最初は戦に勝てば、それで終わりじゃと思っておった。
領土を広げ、相手を倒して、天下を取れば、
それですべては終わりだと、思うっておった。
ところがじゃ
人の心というのは、わからんものよ
いくら戦に勝ってわしの配下についたとしても、
その腸(はらわた)の中に何を考えておるかこれは別ものじゃ
本当の意味での、天下統一というのは、
その人の心を掴めるか否かにかかっておるということを、
晩年になってわしは悟った。
それまでは、実にこの世的な物・金・人そういうことばかりに
頭をめぐらしておった。
姫達もそうじゃぞ、
金さえ持っておれば、いくらでも良い女子(おなご)はついてくるわ。
しかしな、本当に腹の底から従うておるかは、
またこれ別ものでな
天下も同じこと
ゆえに、今度生まれ返った時には、
本当の意味での天下統一を成してやるぞと、
わしはそう思った。
そう思うって、転生をした。
そして又、同じ失敗を繰り返していく、
そう簡単に、悟りきれるものではないという厳しさを、感じておる。
なぜ、そうなるか。
とことん学んでおらんかったと、そう思うておる。
今世は何とか、それを修正したい。
ああ、半ば愚痴になってしもうたが、そういうことだ。
(初出:2013年5月28日/収録:2013年4月10日)

