伊達政宗様のお言葉
今日、語りに来たのは、侍としての精神についてである。
この日本男子というのは、元々大和魂の持ち主であるということは、誰もが知っておることであろう。
その大和魂とは何ぞや。
これをしっかりと腹の底に据えていない者が、ほとんどである。
そのことが、今天上界においても、皆が危惧していることである。
男子に限らず、女子においても、この大和魂ということは、共通しておる。
それは、単に蛮勇を指すことではない。
それこそ、美しく、調和のとれた、喜びに満ちた、思いである。
人々を愛し、国を愛し、また、他の国の人達をも愛することができる魂なのだ。
であればこそ、時として鋼鉄のような強さを持ち、柳のようにしなやかで、強き心を持つこともできる。
このように硬軟あわせ持つ強さを持っている者が、真の強者である
その強さを支える思いとは、愛なのである。
そして、この強さに支えられているのが、優しさである。
男であれ、女であれ、それはどちらもに共通した、魂なのだ。
物事の大小はあれど、いついかなることにおいても、この魂はその基本的なところをなす、根本精神である。
このことを理解せずのままに、表面的な己の利益のみに思いを発する者は、大和魂はおろか、その正義さえも曲げた解釈をし、それぞれが我欲に走ることになる。
そこにはもはや理想などという言葉はない。
信念という言葉もない。
風見鶏のように、ころころと思いを変え、態度を変えていく人間の様である。
私は、そのような生き方が嫌いだ。
子どもであろうと、大人であろうと、また男であろうと、女であろうと、およそ人というものは、己の中にその根本的なる精神の柱というものを、持って生きなければならない。
その柱を持つことなく、タコのように自由自在に生きていく者は、楽に生きられると思うておるかも知れぬが、水に流され、周りの者に流されて、どこに行き着くかもわからないまま、漂流し続けることになる。
何年経っても、タコはタコのままじゃ。
その一番大事な根本精神を、この国の者達皆に持っていただきたい。
今やこの世の中は、経済的にも、政治的にも、混沌とした時代を迎えている。
否、それは昔からもあった問題である。
その問題を抱えながら、しかしそれでもしっかりと柱を立てること、これが重要である。
時代のせいではない、己の心に問うてみよ。
どの時代も、皆それぞれ大変なことはあった。
その中でも、一本筋を通して生きる者があったればこそ、次の時代に繋ぐことができたのである。
この先の時代を、次の世代に、繋げていきたいと思うのであれば、一本筋を立てよ。
そう申したいのである。
以上です。
(初出:2013年5月29日/収録:2013年4月14日)

