飛鳥寺と出会い
豪雨が降り続いていたが、宿を出る頃には雨はやんでいた。
今朝は、甘樫丘(あまかしのおか)から飛鳥寺(あすかでら)へ行く予定でいたのだが、最初に着いたのはなぜか飛鳥寺だった。

飛鳥寺の釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)を見た瞬間、これは私が建造したのではないかという想いが湧いてきた。

さらにいにしえの記憶が出てきそうになった。が、その雰囲気しかつかめない。
しばらく、椅子に座っていたが、それ以上は出てこないので、本堂を出た。
境内を散策しているうちに、奥の方が気になってきた。
何だろう?と思い、歩を進めた。
そこには、蘇我入鹿(そがのいるか)の首塚があった。

軽く手を合わせたのだが、奥にある石が妙に気になり始めた。
何だろうと思い、触ってみた。妙に熱い!

え! 熱い??
塚の塔は冷たいのに、この石だけが熱い?
と! 瞬間、すべてがわかった!
私を呼んでいたのは、ここに埋まっている「蘇我入鹿」だったことを。
そして、それはまた、私自身であったことも。
えええ! 私の過去世が、蘇我入鹿???
確か大化の改新で、悪役ではなかったかな?
「いや、それは違う、それは偽りだ」と蘇我入鹿から、声が聞こえてきた。
私は、入鹿様から、じっくり話を聞こうと、甘樫丘に向かうことにした。
(初出:2020年7月20日)

