主との出会い
空を見上げると、低く垂れ込めた雲が、今にも「雨を降らすぞ」とばかりに知らせてくる。
甘樫丘(あまかしのおか)で与えられていた時間は、もう終わりを告げていた。
私は丘を降り、帰路に就くことにした。
空路を使い、自宅に着くまでの間、自らのさまざまな転生した姿を振り返り、魂の根底にあるものを感じ取っていた。
帰宅後、少々の疲れを感じたので、しばらく静養を取ることにした。
しかしその間も、私の脳裏に、大宇宙に広がる星々や、はるか遠くの数え切れないほどの銀河群が、見え隠れする。
その見える宇宙に思いを集中すると、次の想いが心の中に湧いて出てきた。
それは、大宇宙のほんの一点にしか過ぎないこの地球にて、私の魂はさまざまに転生し、大宇宙の法を広め、愛を中心とした地球文明をつくり続けていること。
さらには、同じ時代に複数に別れて転生し、その者たちと共に協力しながら、大きく時代を動かしていること。
またこの魂は地球だけではなく、他の星にても同じく存在し、その星に合った個性ある文明をつくり続けていること。
この魂の存在はなおも大きく、大宇宙の星々に広がった宇宙的存在でもあり、それはまた、小さな地球に存在する自分自身であるという不思議さが伝わってきた。
私は、思いもよらぬ展開に戸惑いを感じたが、素直に受け入れることにしようとした。
しかし、なかなか受け入れることは難しく思えた。
そのような私の思いとは裏腹に、さらに想いが湧いてくる。
この大宇宙に散りばめられた銀河や星々は、大宇宙の根本神の仏性をそれぞれに宿し存在している。
その仏性の姿を私は知りたくて、さまざまな星に存在し、その星々に宿したる仏性を具現化し、展開し続けているのだと思いが湧いてきた。
さらにはその各星の中で、多くの仏性を宿した仲間たちと共に転生を繰り返し、大いなる魂の向上を目指している姿が見え、互いにさまざまな関係を持ちながら、一つの大きな金の糸を紡いでいるのが感じ取れた。
また、宇宙大に広がり、大宇宙を大きな金の糸でつなぎ合わせた黄金の布のようにも見えたが、それは根本神から出でた黄金の大河であるということが見えてきた。
その姿が見えると同時に、そのさまざまに紡がれた金の糸、そして黄金の大河を眼を細めて、愛おしく眺めておられる、大宇宙の根本神の存在を感じたのである。
かすかではあるが、主の喜びの一端が私の心の中で芽生え、全身を包んだ。
主との出会いである。大いなる、喜びであった。
(初出:2020年8月1日)

