ソクラテス様の言葉
人間というのは実におもしろいものであると思います
私は自分自身を見ていて
なんとも不可思議な動物であると
何度思ったことかしれません
この不可思議な物体であるかのような人間が
しかしその表情に表わされぬところに
実は私の考えはあり
まさにそれをなさんしているにも拘わらず
鏡に映った私の顔は
まるで何事も知らぬかのような
とぼけた顔をしています
つまり目に見える鏡の中にいる私は
私であって私でない
本当の私は
この鏡に映っていないところの
内面にいるのであって
何とも不可思議な感覚を覚えたものであります
そしてこの不可思議な感覚を感じている私は
同時に別の私がそれを見ていて
なんと滑稽な姿であると
考えている私がいるのです
この不思議な感覚を
体験したことがあるだろうか
自分であって自分でない
また自分でないようでいて
実は自分であり
そしてその自分を見ているもう一人の自分がおり
さらにその見ている自分を
もっと遠くから見守っている
存在があるということを
私は同時に感じたのです
鏡の前に立ってそこに写った姿を見ながら
なぜか遙か遠く上の方から
自分の姿を見下ろしている
もう一人の自分がいたということを知った時
はたして本当の私はどこにいるのだと
そんなことを来る日も来る日も考えておりました
遙かなる宇宙から見下ろした時
鏡の前の私は小さく見え
しかし同時に
肉体の内に内在するもう一人の自分を感じた時には
非常に大きく見え
この不思議な体験を通して
人間とはいかなるものであるかということを
私は深く考えざるをえません
そしてこのことは私だけでなく
どの人にとっても同じ世界が展開しているのだと
考えた時そこに神の存在を考えずして
理解をすることはできないという思いに至りました
誠にこの世界というものは
不思議なものであります
まだまだ私は探求を続けたいと思います
(初出:2012年12月5日)

