吉田松陰様からのお言葉
皆、よく言うことを聞いてくれた。
私が教えた者たちはそれぞれに、また、おのおのの国元でその教えを広げ、がんばっていることであろう。
今どうしても、日本のことを思わざるをえない思いに駆られている。
それは、この国の行く末について、未来についてである。
常にそのことを思ってはいるが、なんとも足元が不安定であることを私は案じている。
考える者たちが数多くいることはよきこととして見ているが、その考えがあまりにも小さく、わが先にと、わが利権のことばかりに思いを馳せている者たちがあまりにも多いことを私は案じている。
国全体の未来を思う者が、あまりにも少ない。
そして大きな視野でそれを捉え、考えていかねばならぬ。
だが、年々そういった風潮が、姿を消していくのは、まことに寂しい限りである。
私はここのところの、精神性の、根幹のところを説いた。
細かなことは、いかようにも考え創造していくことができる。
だが、根幹の考え方、方向性、価値観といったことを、これを間違えればすべてが間違ってしまう。
太い幹を作れ。
太い幹を、育てるのだ。
たとえ時間がかかっても、長い先の未来のことを思えば、今は太い幹をつくっておかなければ、日本の国はその枝が折れ、外国さながらに移民が流入し、日本の国の本来のオリジナリティがなくなって、国境の境もわからなくなってしまう。
これを私は、案じている。
外国と交流をするのはよし、だが、日本がすべて海外の色に染められてしまうことはよくない。
気づけ、気づけ、目覚めよ、目覚めよ。
知らぬ間に、その色が忍び寄っていることを、日本の隅々の小さな田舎にでさえ、そういった色が染み込んできていることに気づかねばならん。
日本の、古来のよき個性を失ってはいけない。
その価値観を、日本人は忘れてはいけない。
なぜに四方を海に囲まれた島国であるか、思い起こせよ。
鎖国をする必要はないが、外国の色に染められてしまった日本が、その未来をどのように切り開けるのか、ここのところを知恵を出せ。
それをしっかりと見定めて、リーダーシップをとる者が出てこなくてはならない。
私は、それを思う。
(初出:2016年5月16日)
